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hamasho_1129Sincere
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本日ご紹介するのは、東京、北参道にお店を構える言わずと知れたレストラン『sincere(シンシア)』。北参道駅から少し歩き、山手線沿い近くのとある路地裏にお店を構えている。地下へと続く階段を降りると、夜風がなびくテラス席が見え、隣の重厚感あるシックな扉を開く。正面にはオープンキッチンがあり、中には5,6人のシェフがおり、スタッフの方へ奥の席へと誘導される。 現在、コロナの影響もあり、席数を減らしているようで、4人掛けが2つ。2人掛けが4つほどという思ったよりもこんじまりとした雰囲気である。さて、定刻になり一品目が運ばれてくる。 『毛蟹と根セロリ』は、見た目も煌びやかであり、女性であれば思わず「ワッ」と声が溢れてしまう。そんな素敵な料理からスタートした。下からすくうことで味がよく混ざり、セロリの風味も存分に感じることができるだろう。そして、毛蟹が下げられると、まさかのお皿の下からメニューが現れた。まるで物語調にかかれたメニューは、これからどのような料理が提供されるのか、ワクワクさせてくれる、そんな仕掛けが込められていた。 続くのは、『少しアミューズ』と書かれ、6皿ほど登場。”少し”というフレーズには反し、期待以上の豪華な品々に驚きを隠せません。マスカットをモチーフにしたフォアグラや、とうもろこしの品々など、どれも本当に驚きに溢れています。 その後、「しんしあ」と幼い雰囲気で刻印を押されたブリオッシュは、どこかクスッと笑わせてくれるような雰囲気が漂っている。ボタン海老を用いた料理には、「MORIYAMA」のお皿が使用されており、今の流行りを取り入れているのだなという所感を得た。 しばらくしてから、現れたのが名物の「ルーアンクルート」。フランス料理であり、パイ包みのことを指す。そこをあえて親近感のある鯛焼きに落とし込むことで、肩肘張るようなフレンチをもっとカジュアルに、それでいて美味しいを演出してくれる。 メインはイチボ。龍泉刃物をメインナイフとして用いており、2種類あるうちの1つは、わざわざ”シンシア”と彫られている。あえて、この日はシンプルなシルバーカラーのメインナイフをチョイスした。思った以上にオイリーなソースであり、かなり印象に残る内容だった。 そして、ビジュアルこそ目立たないが、当店で最もお気に入りだったのが「ストウブ飯」。6種から選択できるが、スペシャリテが「鰯とフォアグラ」の組み合わせ。ミーハーな自分からしたら、勧められたものを食べない訳にはいかない。ということで、こちらを選んだが。これがなかなかに美味しい。シンプルなビジュアルでありながら、深みのある味わいと、予想外にマッチする一品にはハマること間違いないだろう。 デセールは2種類から選ぶことができるが、もちろん両方選択。和栗のスープも美味しかたったが、やはり黄桃とカモミールのマリアージュには敵わない。つい惚れ惚れしてしまう。 本来肩肘張って体験するようなフレンチをここまでまろやかに楽しめるお店はなかなかないだろう。ぜひ機会があれば訪れて欲しい。