10/25/2022

オシャレな店構えの抹茶館は四条の大通りに面している。15時頃のティータイムということもあり、店内は満席の様相を呈していた。必然、大人の男性10人が入店する余地は皆無のため、店外での順番待ちを余儀なくされた。店員さんに促されるままに、店前の歩道と車道を隔てる欄干に沿って男10人が並ぶ。カフェの前に列を作るのは女子2人組の専売特許だという世間の常識を覆す異常な光景がそこには広がっていた。通り過ぎる者は二度見三度見し、その事実を咀嚼するのに些か時間を要しているようだった。 話は変わるが、その日はロッテの佐々木朗希の先発日。前回登板で完全試合を達成しており、この日のピッチングにも俄然注目が集まっていた。僕たちもその類に漏れず、スマホの野球中継で佐々木朗希のピッチングに熱い視線を送っていた。佐々木朗希はこの日も完璧な投球を披露しており、一球速報の更新を固唾を飲んで見守る男たちのスマホを握る手にも力が入る。 暫くして、店内の2階に通された。2階には約20席程のキャパがあり、その半分を抹茶館には到底そぐわない男たちが占拠した。佐々木朗希のピッチングは終盤に差し掛かり、2試合連続完全試合を継続する異次元の投球に男たちの驚嘆のボリュームは一段と上がった。またある者は負けじとその日賭けた競馬の中継を大音量で店内に流す。本来なら京都の落ち着いたオシャレなカフェのはずが、まるで場外馬券場とスポーツバーを掛けて√(ルート)をとった雰囲気に包まれた。(相加平均では無く、敢えて相乗平均を用いたことに特に意味は無いが、常に両者には相加平均>=相乗平均の関係が成立し、等号成立は場外馬券場=スポーツバーである点に留意されたい。) その日、同じ場所でカフェを楽しんでいた皆様へ。落ち着いた雰囲気を壊してしまい申し訳ありませんでした。佐々木朗希とドウデゥースに代わって、お詫び申し上げます。 . <店舗情報> ・店名: MACCHA HOUSE 抹茶館 京都河原町本店 ・住所: 京都府京都市中京区河原町通四条上ル米屋町382-2 .