10/25/2022

ふと湧き上がる太麺をつけ汁につけたいという熱い気持ち。この気持ちに嘘はないです。安西先生に「バスケがしたいです。」と言った三井寿並みに偽りない気持ちだった。つけ麺に対するそんな強い気持ちを持って、私は些かかかり気味に「つけめんや 泉」のドアを開けた。お昼時のピークをやや過ぎた13時頃に入店したにも関わらず、カウンターは満席で待つ用の長椅子にも7人程が座っていた。全員が「つけ麺が食べたいです。」と呟いていた。実際には、言っていないがほぼ言っている顔をしていた。店内の長椅子は試合の出番を今か今かと待っている興奮気味の男たちに占拠され、カウンターで今まさにつけ麺を食べている選手たちが食べ終わるのを固唾を飲んで見守っていた。1人が食べ終わり席が空くと店員さんが器を片付けて、長椅子の先頭を呼ぶ。先頭の人は、まるでスタメン発表で名前を呼ばれたかのように、大声を張り上げて返事をする。「ハイッ！」ではなく、バスケ部っぽい「ウォイッ！！！」の方の返事だ。いや、実際には大声を張り上げていないが、それに近い鬼気迫る表情で先頭は勢いよく立ち上がった。ただ一つ確かなことは、大声を張り上げない理由は恥ずかしいからではなく、コロナ禍だからということだ。いざ私の番になり、先人に倣って「ウォイッ！！！」と大声で返事をした。いや、実際には大声を出してはいないがそれくらいの勢いで立ち上がったということだ。何度も言わせないでほしい。勿論、私が大声を出さなかった理由はコロナ禍だからではなく恥ずかしかったからだ。大声を出してお腹が減ったので濃厚魚介つけ麺がより美味しく感じた。そして、つけ麺を食べたいという熱い気持ち以上につけ汁が熱くて私は嬉しかった。 . <店舗情報> 店名:つけめんや泉 住所:愛知県大府市若草町2-166 .