naototabelog味蔵民芸茶屋naototabelog味蔵民芸茶屋10/25/2022まるで昭和にタイムスリップした様なお店の外観。裏表が逆の暖簾をくぐると趣のある下駄箱がお出迎え。店内には既に女性2人組と男性2人組の先客がいた。 ここ味蔵にはメニューに載っていない裏メニューが存在する。実は定食の白飯を+100円でかしわ飯に変更できるのだ。当然、私は注文の際に白飯からかしわ飯への変更を打診したが、敢えなく棄却された。この日のかしわ飯は終了したらしい。店員さんに詰め寄りたい気持ちが湧き上がってきたが、この日の分のかしわ飯を食べてしまった罪深き先客を呪うに止めた。 ふと先客の女性2人組に目をやると怪しげなお櫃が2つ机に置かれていた。その中身が白飯かかしわ飯か。仮にかしわ飯である場合はただでは済まないだろう。 私はトイレに行くふりをして女性客のお櫃の中身を見定めようとした。女性客はお櫃に蓋をして事実を闇に葬ろうとした。残念ながら自分自身の目でお櫃の中身を確認することは叶わなかった。流石に「かしわ飯ですか?」と聞く訳にもいかず事件は迷宮入りとなってしまった。きっとお櫃の中身がかしわ飯だったら、その女性客と揉めたに違いない。お櫃の中身が分からなかったおかげで余計なトラブルを未然に防げたと思えば、むしろこれで良かったのかもしれない。 かしわ飯は食べられなかったが、とり天も鶏の炭火焼きも絶品だった。特にとり天定食は700円程度にも関わらず、とてもボリューミー。私はお腹を満帆にしてお店のドアを開けた。目の前には「民芸茶屋 味蔵」とかかれた暖簾が現れた。裏表が逆になっているため、入店する際は読めなかったが、店を出る時に読むことができる仕組みだ。来店時よりも帰宅時を重視するメイド喫茶スタイル。どこか懐かしさを覚えるノスタルジックな店内からお婆さんの「行ってらっしゃい。」の声が聞こえた気がした。「行ってきます。」私はそう呟いて千鳥足で味蔵を後にした。
10/25/2022
まるで昭和にタイムスリップした様なお店の外観。裏表が逆の暖簾をくぐると趣のある下駄箱がお出迎え。店内には既に女性2人組と男性2人組の先客がいた。 ここ味蔵にはメニューに載っていない裏メニューが存在する。実は定食の白飯を+100円でかしわ飯に変更できるのだ。当然、私は注文の際に白飯からかしわ飯への変更を打診したが、敢えなく棄却された。この日のかしわ飯は終了したらしい。店員さんに詰め寄りたい気持ちが湧き上がってきたが、この日の分のかしわ飯を食べてしまった罪深き先客を呪うに止めた。 ふと先客の女性2人組に目をやると怪しげなお櫃が2つ机に置かれていた。その中身が白飯かかしわ飯か。仮にかしわ飯である場合はただでは済まないだろう。 私はトイレに行くふりをして女性客のお櫃の中身を見定めようとした。女性客はお櫃に蓋をして事実を闇に葬ろうとした。残念ながら自分自身の目でお櫃の中身を確認することは叶わなかった。流石に「かしわ飯ですか?」と聞く訳にもいかず事件は迷宮入りとなってしまった。きっとお櫃の中身がかしわ飯だったら、その女性客と揉めたに違いない。お櫃の中身が分からなかったおかげで余計なトラブルを未然に防げたと思えば、むしろこれで良かったのかもしれない。 かしわ飯は食べられなかったが、とり天も鶏の炭火焼きも絶品だった。特にとり天定食は700円程度にも関わらず、とてもボリューミー。私はお腹を満帆にしてお店のドアを開けた。目の前には「民芸茶屋 味蔵」とかかれた暖簾が現れた。裏表が逆になっているため、入店する際は読めなかったが、店を出る時に読むことができる仕組みだ。来店時よりも帰宅時を重視するメイド喫茶スタイル。どこか懐かしさを覚えるノスタルジックな店内からお婆さんの「行ってらっしゃい。」の声が聞こえた気がした。「行ってきます。」私はそう呟いて千鳥足で味蔵を後にした。